2015年5月22日金曜日

「コントロール」と「すべてか無か」からの脱却

質問

「コントロール」と「すべてか無か」からの脱却をしたいのですが、どうしたらいいのかわかりません。











回答

「コントロール」と「すべてか無か」は、密接に影響し合っています。
コントロールは、通常はマネジメントと一体で語られるものですが、アルコール依存者の子どもの場合には、もっと強い欲求があり、力いっぱい手綱をひくような状態のことを言います。
つまり「そこまでしなくてもいいのに」と思うほど、自分や重要な他者を規制せずにはいられない切迫した強迫行動です。

コントロールがほとんどないか、機能しているかという環境で育ってきたからです。それが「すべてか無か」という判断、選択につながっています。

力いっぱい手綱をひく「コントロール」の習慣に気がついたら、手放すときです。

では、どのようにして手放すことができるのか。その方法を提案しましょう。

ひとつは、ゆっくり時間をかけて、判断、選択するようにします。
相手がある場合には、時間が欲しいと伝えるようにします。その上で自分ひとりで解決しょうとせず、信頼の置ける人に相談することです。

もうひとつは、勝つか負けるかではなく、中間を心がけましょう。「すべてか無か」は「コントロール」よりも難しい問題です。要求が極端すぎるのです。

たとえば、弁護士をめざすとします。
普通の人は一歩ずつ進みます。

ところが「すべてか無か」の考えをする人は、いきなり答えを求めます。「なれるか、なれないか」という判断です。
そんなことは誰にもわかないことですが、最初に結果を求めます。

なれると思えば取り組むし、根拠なくダメだと思うと、無視します。これではほとんどの挑戦が始まりません。

対策は、マイルストーンです。実際、「すべてか無か」の考えをする人が経営者の場合、ほとんど同じことをしています。環境が変わっても過去の成功体験を繰り返すばかりです。結局、無にしてしまいます。こんなことにならないように、マイルストーンを一歩、一歩、進むようにしましょう。





2015年5月6日水曜日

認知症の早期発見の方法を教えてください。

【質問

認知症の早期発見の方法を教えてください。




【回答】

公益社団法人「認知症の人と家族の会」が発行している小冊子があります。これは診断基準ではありませんが、家族が発見した認知症の初期症状です。人知れずご本人も悩んでいることを心して、温かいコミュニケーションを心がけましょう。

20のチェックポイント

●もの忘れがひどい 

1 いま切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
2 同じことを何度も言う・問う・する
3 しまい忘れ、置き忘れが増え、いつも探し物をしている
4 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う

●判断・理解力が衰える

5 料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
6 新しいことが覚えられない
7 話のつじつまが合わない
8 テレビ番組の内容が理解できなくなった

●時間・場所がわからない

9 約束の日時や場所を間違えるようになった
10 慣れた道でも迷うことがある

●人柄が変わる

11 些細なことで怒りっぽくなった
12 周りへの気づかいがなくなり頑固になった
13 自分の失敗を人のせいにする
14 「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた

●不安感が強い

15 ひとりになると怖がったり寂しがったりする
16 外出時、持ち物を何度も確かめる
17 「頭が変になった」と本人が訴える

●意欲がなくなる

18 下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
19 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
20 ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる


「もの忘れがひどい 」と「単なる物忘れ」の見分けがつきにくいので注意です。「単なる物忘れ」とおもわず、他の点にも注目してください。


介護生活が始まりそうです。なにからどうしたらいいのか不安です。

【お問い合わせ】

会社勤めをしています。離婚後、独身の男性です。母親の介護生活が始まりそうです。なにからどうしたらいいのか不安です。




【回答】

まず、介護保険を理解しましょう。


自分も、今年の春、母とはぐれました。去年には母の妹、叔母と。姉妹して天国に行ってしまいました。述べ4年間の切なく慌ただしい毎日でした。

ふたり同時に認知症になり、介護保険の使用のために区役所に相談に行き。まず介護のレベルの判定をしていただきました。母は「要介護3」、妹は「要支援2」でした。そこでしかるべき対応を試みることになります。



認知症ネットにはこのように記述されています。

仕事と介護の両立の仕方

大切な家族が要介護者になったとき、自分たち家族だけで何とかしようとすると、心身ともに追い込まれてしまい、結果、離職を余儀なくされる事にも繋がります。

しかし、仕事を辞めてしまった後の事を、具体的に考えてみましょう。収入が減ってしまう、又は無くなってしまっても大丈夫なほど貯えがあるなら良いですが、そうではない場合は、どうやって生計をたてていくかなど、熟考が必要です。介護サービスを利用するとしても、全く無償で行われるものはありません。収入が無くなった場合、介護サービスも減らさなければいけなくなり、身体的、精神的な負担は今より大きくなる可能性があります。

介護は介護のプロに任せ家族で抱え込まない

認知症の介護は、身体的な介護だけではありません。問題行動など、家族だけでは対応が難しくなる症状も多くなります。介護だけを考えても、家族だけで抱え込まず、介護サービスや地域全体のサポートを利用できると考えてください。

家族の介護を他人に任せられないと考える方もおられますが、介護サービスを行っているのは介護のプロです。病気になったら医者や看護師に任せますよね。介護もそれと同じです。

確かにそうです。間違った記述はありません。

間違っていないけど、介護保険の仕組みに大きな欠陥があります。
これが厄介なことになります。

介護保険は、介護する人が<夫婦健在>であるという発想に基づいていることです。

この問題は多岐にわたるので、連載で回答させていただきます。